【第12回】労務手続きの洗礼
- YDM Global Academy
- 8月8日
- 読了時間: 4分
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“雇う”とは、覚悟の証明である。

◆ 校長の入社で始まった「人を雇う」という現実
2025年4月。YDM Global Academyに
**初の専任スタッフ(校長)**が入社しました。
これまで「開校準備中」という立場で動いていた組織に、
ついに“人を雇う”というフェーズが訪れたのです。
もちろんまだ学生はゼロ。校舎も工事中。
しかし、雇用とは**「未来が整うまで待つもの」ではなく、
今日から始めなければならない義務**。
· 給与の支払い
· 社会保険の加入
· 労働保険の届け出
「準備が整ってからやろう」では遅い。
人を迎えた瞬間から、“雇用者としての責任”は始まっていたのです。
◆ 労務初心者に降りかかる“実務ラッシュ”
校長の入社と同時に、私に降りかかったのは、前例ゼロの嵐のような実務ラッシュでした。
· 雇用契約書の作成(労働条件通知書と別です、と言われて驚愕)
· 勤怠管理ルールの整備(タイムカード?アプリ?…迷走)
· 給与計算の設計(支給日・控除・交通費・住民税の取扱い…???)
· 社会保険の資格取得届の提出(“扶養”ってどうするの?)
· 労災保険・雇用保険の成立届と被保険者届(ハローワークと労基署のWパンチ)
· 振込処理、源泉所得税の納付準備、帳簿の記録…
「開校前でよかったですね」なんて言われそうですが、
正直、本気で開校後じゃなくてよかったです。
この嵐の中で、誰かの授業運営や学生対応なんて無理でした(笑)。
◆ 役所ごとに違うルール、違う様式、違う対応
この手続き祭りで一番やっかいだったのが、
“役所によって言っていることが違う”問題。
· ハローワーク:「紙で3部ずつ出してください」
· 年金事務所:「できれば電子申請してください」
· 労基署:「その様式、去年のです。最新版を…」
さらに、担当者によって説明の温度差が激しい。
A職員「この記入例どおりで結構です」
B職員「え、これだと不備になりますけど?」
特に印象的だったのが、年金事務所でのやり取り。
「この訂正が必要ですが、ここでは直せません」
「じゃあ、どこで?」
「ご自宅で直して、また戻ってきてください」
──それ、郵送じゃダメですか?と聞く気力すら削がれました(笑)。

◆ それでも前に進むために
そんな中、なんとか立ち止まらずに進めたのは、
「自力でやる」覚悟に加えて、“一人で抱え込まない工夫”を持てたからです。
· 地元・福山の社労士さんにアドバイスを仰ぎ、曖昧な手続きに明確な“道筋”ができた
· 商工会議所で記入例や最新様式を収集し、書類ミスを減らせた
· 同じような立場の起業者のブログや動画で、段取りや失敗例を事前に把握
「この通りにやれば絶対うまくいく」なんて答えはない。
でも、“誰かの経験”は確実に支えになる。
自分でやることを前提に、情報と知恵を借りる——
それが、起業初期の正解だと感じました。
◆ 雇う責任、育てる覚悟
人を雇うということは、その人の“時間”と“信頼”を預かるということです。
今回入社してくださった校長先生は、まだ認可も降りていないこの段階で、
「もし申請が通らなかったら?」というリスクを理解した上で、
YDMに加わってくださいました。
給与を払うことはもちろん、
「安心して働ける場を提供する」ことが、雇用者としての最大の責任。
だから私は思いました。
「安心できる基盤を必ず整える。そして、給与以上の信頼を提供する。」
その覚悟があって初めて、“人を迎える資格”が得られるのだと。
🔻【次回】#13 認定申請へ、現在一次審査中
いよいよ文科省との“本番”がスタート。
YDM Global Academyの命運を握る認定申請、そのリアルを語ります。
✍️ あとがき
労務という言葉に、皆さんはどんなイメージを持つでしょうか?
「地味」「複雑」「面倒」…どれも当たっています(笑)。
けれど、今回の経験を通して私は知りました。
**人を迎えるということは、制度の話ではなく、“信頼を積み上げる行為”**なのだと。
書類を揃えるのは、ルールに従うためだけじゃない。
曖昧さをなくし、安心して働ける土台をつくるため。
法律の網目に沿って組織をつくることは、
相手への礼儀であり、未来への投資でもあります。
起業や開校準備というと、どうしても「理念」や「構想」に目が向きがちです。
でも、そこに人が加わった瞬間から、その理想を守るために実務を固める責任が生まれる。
…それは時に面倒で、逃げ出したくなるような作業かもしれません。
でも、その過程こそが、創業者としての自分を少しずつ形づくっていくのだと感じました。
YDM Global Academyは、ここからが本番。
人を迎え、制度を整えた今、いよいよ“動き出す”ときです。
この学校に関わるすべての人が安心して歩めるように、これからも土台を耕し続けます。



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